パワーストーン天然石 > 万葉の世界巡り > 老化・職業と寿命
 職業による寿命の違いを検討した研究があります。それによると、いちばん寿命が長いのは僧侶などの宗教家で、その後に弁護士、芸術家、政治家と続きます。逆に寿命が平均より短いのはプロの運動選手、小説家、大学教授、実業家などが挙げられています。すべての職業を網羅しているわけではないので職業を選ぶ際の参考にはなりませんが、どういうことが寿命を長くして、どういうことは寿命を短くするかという見当をつけることはできます。僧侶が長生きな理由は、規則的な生活や質素な食事、精神的な安定、ストレスが少ない社会生活などが考えられます。芸術家も、おそらく成功した人は悠々たる生活が送れるでしょうから、上の要因は当てはまります。弁護士や政治家は、ストレスも多く、生活も不規則ではないかと思いますので、彼らが長生きなのは腑に落ちませんが、経済的に恵まれていることが大きく寄与しているのでしょうか?
それとも、実は政治家も弁護士も苦労知らずで、ストレスを感じない職業だからなのかもしれません。
 短命の方では、プロのスポーツ選手が挙がっています。過度の運動、ムリな身体作り、不規則な食生活などが身体に負担をかけているのでしょう。いつも勝ち負けを気にして生活することは、大きなストレスに違いありません。小説家の短命は、不規則な生活が要因のいちばんでしょうし、実業家は、それに加えて責任の重さから来るストレスも大きいに違いありません。大学教授が短命の方に挙がっている理由は想像できませんが、もしかすると身体の弱い人が多いのでしょうか?
それとも、勉強しない学生の教育に寿命を削られているということでしょうか?

不死の妙薬を返上した物語
 死を恐れない人はいません。秦の始皇帝は、不老不死の秘薬をいろいろ試したり、不老不死の薬を探しに、家来の徐福を遠く仙界へまで使わしたそうです。一方、ソクラテスは、若者を惑わした罪を問われて死刑を宣告されたとき、弁明したり亡命したりせず毒杯を仰いだといいます。こうした話が伝わっているのは、それが人間のできることとは思えないからでありましょう。ところが日本には、不老不死の薬をもらっておきながら、それを捨ててしまったという物語が残されています。それが、誰でも知っているかぐや姫の伝説です。
「竹取の翁」と呼ばれる翁が、竹の中からかわいい女の子を見つけました。
夫婦で大事に育てていくと、女の子は美しい姫に成長しました。都の多くの男たちが求婚しますが、姫はことごとくはねつけ、自分が月の世界の者であることを告げました。やがて月から迎えが来て、かぐや姫は月世界へ帰ってゆきますが、この時彼女は、不死の薬を竹取の翁に与えました。ところが翁は、姫がいなくなってはこの世に未練はないと、不死の薬を駿河の高山で燃やしてしまいました。その煙は今でも山頂から立ち上り、その山の名前を「不死の山(富士山)」と呼ぶようになったということです。この物語がもし本当なら、竹やぶには、不老不死の薬をもらおうと、光る竹を探し回る群集が出現するでしょうね。
白血球・遺伝子修復能力と寿命
細胞や腸管の内側の細胞は、常に入れ替わっています。役目を終えた白血球の細胞は、組胞自身が持っている機能によって壊されて吸収されてしまいます。
改造生物、人工生物へ
21世紀の科学技術は、いよいよ改造人間や人工生物へ向かっています。
クローン人間や遺伝子組み換え食物の話ではありません。ヒトが作り替えられようとしています。
まず、試みられているのは、眠らずに何日も働き続けるようなヒ卜を作ることです。戦争になったら、そうしたヒトは大変役に立ちますから、軍隊ではすでにそうした研究が進められています。
今は睡眠の代わりをする飲み薬の開発ですが、やがて、遺伝子を変えてしまおうということになるでしょう。
夜でも見える視力、高い音や小さな声を聞き逃さない聴力熱にも侵されない皮膚を持つヒトは、大変有用です。放射線や化学物質に抵抗性のある身体を持っていれば、工場で事故が起こったときも救助に向かうことができます。ストレスに耐えられるように改造したヒ卜でないと、社長になれないようになるかもしれません。SFの世界はまもなく現実になります。
DNA修復力・・・壊れた遺伝子を修復する能力が高い動物ほど、長生きをすることがわかります。
活性酸素の害
細胞にエネルギーを供給するためにグルコースを燃やすと、どうしても活性酸素ができてしまいます。それは、反応性が非常に強いので、核のDNAからタンパク質や脂肪まで、どんな分子でも酸化して傷つけてしまいます。SODという酵素がそれを防いでいます。
活性酸素を作る原因
活性酸素は、呼吸のほかに、紫外線やタバコによっても作られます。そうした反応性の高い酸素は、遺伝子の構造を壊し、脂質やタンパク質を酸化して、固くて動けない分子を作ります。それが高じると、細胞が老化してしまいます。
テロメア、染色体の端
テロメアは、白く見える染色体の先端を保護するDNAの部分です。テロメアは分裂のたびごとに短くなってゆきます。ですから、テロメアの長い細胞は、たくさんの回数分裂することができます。逆に、テロメアの長さは、その細胞の年齢に当たります。
人生のステージ・・・人間の一生は、時代によっても文化によっても、さらに個人によっても、とても違います。
加齢に伴う機能低下
歳をとると、身体の働きは何でも衰えます。肺活量も、細胞の水分量も、代謝も、みんな30歳の時よりは下がってしまいます。ただし、その速さや程度は、器官によって違います。
呼吸は早く大きく低下しますが、基礎代謝量などは比較的穏やかです。老化、衰えから見えてくるものもあり、生命を調律して、指揮する時間、老化は、ヒトにとっては対処が難しい時間の作用です。老化すると、眼も耳も筋肉の柔軟性も臓器の働きもみんな衰えます。しかし、その時はじめて、人間の全体をおぼろげにも理解するのではないでしようか?老いを知らない人には、生命の意味を理解することはできません。

老化とは機能の衰え
 ヒトは、歳とともに老化していきま環老化は、その原因が未だ解明されていませんし、押しとどめることもできません。それは、時間の経過を押しとどめることができないのと同じことでま老化とは、歳とともに全身のあらゆる機能が衰えることをいいます。心臓だけが衰えたり、筋肉だけが弱く至たりすることは、病気ではありますが、老化とはいいません。老化すると、眼も、耳も、身体の柔軟性も、呼吸
により酸素を取り入れる能力も、みんな衰えます。肺は、一二歳頃まで成長しますが、二五歳ぐらいからは機能が低下し始めます。たとえば、肺のガス交換を行う肺胞の表面積は、八〇歳になると二〇歳の頃の四分の三に低下します。そのほか、筋肉や血管の老化がこれに加わって、肺機能はさらに衰えてゆきます。歳をとると病気になりやすくなるのは、免疫系の衰えからもきます。免疫細胞の働きを活発にする胸腺は、妄歳ぐらいでもっとも活発で、それ以降、二〇歳前にはもう萎縮を始めます。
 しかしいちばん早く減少するのは、脳下垂体から放出される成長ホルモンでしょう。このホルモンは、一〇歳ぐらいでもっとも多く分泌され、二〇歳にはもう半分以下になります。成長ホルモンは、成長期だけ働くホルモンではなく、細胞のアミノ酸取り込みを促進して、皮膚や骨の若さを保ち、心臓や肺の機能を維持し、脳の働きを助けることにも使われます。このように、ホルモンを作る内分泌器官は、身
体全体に大きな影響を持っています。女性の性ホルモンの分泌量は、二〇代にピークを示した後、急激に減少し、四〇歳でほぼ半分、六〇歳になると最大の頃の一割以下しか作られません。男性ホルモンは、減少が緩やかで、六〇歳でも若いときの三分の二ほどの分泌量を維持しています。
 図5・12に示すように、肺の酸素取り込み量は、七〇歳になると若いときの半分にまで低下してしまいますが、それでも元気に生活することができるのですから、身体はかなりの余裕を持って作られていると考えて正しいのかもしれません。
 老化は、ヒトのすべての機能に見られますが、その速さはそれぞれ違っています。いつまでも若さを保っている人もいれば、若いうちから髪が薄くなって、早く老化が目立つ人もいます。ここでも、時間は一棟ではありません。老化のどうしても押しとどめることができない性質は、時間と似ています。時間の進みも、どうしても押しとどめることはできません。しかし、老化による機能低下に器官や人によって差がある事実は、時間の進みも、もしかして速くしたり遅くしたりできるかもしれないという希望を与えてくれます。